今回のテーマは「待つ支援」です。
家族の方であれば、本人の出来ることを増やそうと日々支援されていると思いますが、他にしなければいけないこと(家事)もありますし、忙しく時間に追われることも多いと思います。

そんな時、皆さんは、彼らが何かをすることに時間がかかっている場合、どうしていますか?

おそらく、早くするよう促したり、時にはこちらで終わらせてしまうことがあるのではないでしょうか。支援と言うものは難しく、支援をし過ぎても良くありませんし、不足してもダメです。理想は過不足ない支援ですが、上に書いたように支援をし過ぎてしまうと、本人の意欲を摘み、成長を妨げます。時には、「支援を待ってしまう」という状況を作ってしまいます。

ここで重要になるのが、「待つ支援」です。
手を出したくなる気持ちをぐっとこらえて、見守ります。近くに人がいると自分ではしない場合は、その場を離れて隠れて見守ります。なるべくその人が自発的に1人で行えるような環境を作ります。

でも、いつまで待つの?
という声が聞こえてきますが、それは個々に応じてとしか答えようがありません。その人によって待つ時間は違いますし、その時の周りの状況、本人の体調や情緒の様子など様々な情報を加味して待つ時間を決めます。これにはその人のことを十分に理解している必要がありますし、高い支援スキルが必要です。待つ時間を見極め、難しい場合は最小限の支援を行います。

この最小限の支援と言うのも難しいです。支援と言うものは、徐々に量や質、頻度などを少なくしていきます。なぜなら、目標(獲得したい行動)というものがあり、それを達成するための支援ですから、ずっと同じ支援をしていたら、いつまで経っても目標を達成できないからです。

はじめ10で支援していたなら、10・9・8・7・・・と支援を少なくしていきます。
時には、6・5・4・5・4・・・と戻ったり、一旦停止をしながら出来るようになっていきます。

過不足ない支援を行うためには、
「10で支援したけどし過ぎてないかな?」
「6の支援で足りているかな?」など、その都度振り返る必要があります。

今回は「待つ支援」と「過不足ない支援」をセットで説明しましたが、とても重要なことなので、ぜひ日頃の支援に活かしてみてください。